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この冬、とくにしたほうが良いこと

寒さもいちだんと厳しくなりました。

新型コロナウイルス感染が拡大している不安と、この寒さは身に堪えます。

始まったばかりの2021年、このコロナ禍と寒さで運動不足になっている方も多いことでしょう。ただでさえ冬は季節的に縮こまってしまいがち。寒さと閉塞感、もろもろの不安感で心身もこわばっているとなると、からだの抵抗力=免疫への影響も心配なところです。
でも今年はとくに免疫力の低下は食い止めたいですね。
そこで2021年の冬、とくにしたほうが良いこと、すぐに実行できることがあります。

手洗い・うがいなどの水際の衛生管理に加えて、積極的にお勧めしたいのは2つです。

  • その1 からだを動かす
  • その2 腸のケア

運動不足は、気分を含め体調にも影響をもたらします。気分がふさいだら、あえて体を動かしてみると頭がすっきりすることがあります。外気を(マスク越しからでも)吸うこと、歩くだけでも違います。血流も上がり、からだも心も温まるのを感じることでしょう。

その際には防寒とディスタンス、喉の潤いはお忘れなく。

「でも腸のケアって?」と思われるかもしれませんが、腸を守ることが、心もからだもケアすることになるのです。善玉、悪玉菌など、腸内フローラについてはよく知られているところです。でも腸は人の気持ちにまで左右するからだの大きな裁量権があることをご存知でしょうか?


脳腸相関」をご存知ですか?

昨年、NHK「ヒューマニエンス40億年のたくらみ」という番組でも特集されいたのが〖腸〗でした。「脳の生みの親は腸」で、腸の神経から脳が生まれたといいます。よくよく考えると、たしかに脳と腸、形状が似ている気もしてきました。
脳の働きはいうまでもなく、生物が生きていくための司令塔、思考、意思など「心」の中心。
一方で腸の働きは:

  • 免疫をコントロール、感染を予防する— 免疫細胞の70%が腸に集中。腸の善玉菌が腸内を酸性化させ、病原菌現象、悪玉菌の繁殖を抑制
  • ビタミン合成をする— ビタミンB群、ビタミンKなどを作り出す。
  • ホルモンバランスをコントロールする— 消化管ホルモンの分布や抑制によって血糖値をコントロール、食欲抑制などをする。
  • 有害な物質が体内で生成されるのを抑制する— 善玉菌によって悪玉菌が減り、アンモニアや硫化水素などガンの原因の一つにもなるものの生成を抑える
  • 自律神経ネットワーク— 交感神経+副交感神経(迷走神経)と内臓は密接にかかわっている。ストレスがかかると自律神経が乱れ、腸の蠕動運動が過剰になったり、逆に動かなくなったりする(下痢/便秘)

体内のどこ一つをとってもそれぞれの器官が相関しながら微細に調整しあい、全体として動いているのが生物です。どこかの器官とある種のシグナルを互いに放ちつつ、関係性を保ちながら健康を維持しているのですが、この脳と腸はさらに深く相互に関わっているようです。

心配事があると胃が痛んだり、腹痛でトイレに駆け込むということがあるかと思います。これは脳が腸へ向け自律神経を介してストレスの刺激が伝わるための反応ですが、この反応についてはご存知の方は多いでしょう。ところが何となくこれまですべての体を整えるのは脳の指令によるものだと思ってきたわけですが、実はそれだけではなかったことがわかっています。脳が指令を出さずとも自律的にその蠕動運動を行うのだそうです。マウスの腸だけを取り出した実験での腸の蠕動運動、まるで本当に「脳」を持っているかのような動きは衝撃的です。


心と腸の関係

腸のはたらきは気持ちの面でも大きな力をもっています。腸には味を感じる受容体があることが知られていますが、気持ちにはどう影響するのでしょうか?

満ち足りたときに感じるときに分泌されるセロトニンは「幸せホルモン」としてよく知られていますが、このセロトニンが作られるのは95%が小腸(大腸と小腸で利用される)、わずか5%が脳で作られます。


幸せを感じるこのセロトニンは、生成される過程でビタミンB群が必要になりますが、このビタミンB群の多くを作り出すのは腸内の善玉菌です。

腸内環境を整えると、結果的に気持ちが安定するというのはこのような体のしくみから由来しているのです。


とはいっても腸のセロトニンが「幸せ」と感じさせるわけではありません。
脳と腸ではセロトニンの使われ方はまったく異なるからです。

脳のセロトニンは興奮やイライラ、衝動性を抑制する働きがあります。また睡眠のためのホルモンの生成プロセスにも関わるため、減少すると精神的バランスを崩すことになります。

一方、腸でのセロトニンの役割は

  • 消化・吸収など食欲を制御
  • 体温調整
  • 痛みに関わる認知
  • 蠕動運動
  • 脳血管の収縮活動の調節
  • 止血・血管の収縮作用(血液中の血小板)

などで脳での働きとは異なることがわかります。95%ものセロトニンが腸で作られるのだから、脳に不足した分をここから補えないのか、と思いますね。
残念ながら腸で生成されたセロトニンを脳に補充することはできません。生理活性物質は血流にのって全身をめぐりますが、脳には血液脳関門という(まさに)関所があり、脳血流に入ることができない仕組みによってからだから脳には運ばれることはありません。

ただ、そうはいっても同じ「セロトニン」であることには違いがありません。

セロトニンを作る材料は同じもの、つまりちゃんと作れる土壌があることで、脳内のセロトニン生成も同様のことが起こると言われています。セロトニンが脳で十分な量が作られることでうつ病などの改善がみられることは私たちの知るところです。実際にセロトニンの値は、食事・運動・日光に当たることなどで改善できるとされています。


食事については、セロトニンをつくる原料となるトリプトファンが含まれた食べ物の摂取が重要。肉、大豆、乳製品、バナナなどを食材をバランスよく取り入れることが大切です。



さらに腸内の細菌バランス(善玉菌:悪玉菌:日和見菌<腸内環境によって良くも悪くもなる菌)=2:1:7)を保つためには野菜は積極的にとるようにしたいものです。悪玉菌もタンパク質分解には必要で、大切なのは「増えすぎない」ベストバランスを保つことにあります。


腸環境を守る=心身を守るためにすること


日常生活ではストレスが蓄積されていっているのに、発散できず、またなかなか癒やす方法を見出せなかったり、思うような結果が「見えない」ことがあるかもしれません。

でも今が自分の心、体を見直す機会なのかもしれないのです。不安だけにフォーカスするのではなく、日常できるケアについても考えてみるタイミングかもしれません。

腸のケアは日頃の食事や生活習慣と密接に結びついているのでイメージがしやすいのではないでしょうか?

具体的に、以下のことを自分のできる範囲内でやってみるのもよいと思います。

  • からだを冷やさない=血流が悪くなる、腸の運動もにぶってしまう。
  • 適度な運動=スーツを着たときにも早足でよく歩く、自室から出て近所を散歩するなどでも。
  • バランスのとれた食事=時間のないときは小分けに。良質のたんぱく質や食物繊維をとるような心がけ。時間のないときはコンビニ、ファストフードで揃えて添加物‥気になるかもしれませんが、そこはあまり神経質にならずにできる範囲内で。ストレスになっても本末転倒です。
  • 深呼吸=ひと息つくことで、ピリピリした自分を解放しましょう。ため息はどんどんついたらいいのです(人目につかないでやるほうが人間関係的に平和です)。吐く息が長いと副交感神経が優位になります。
    ここがアロマの得意分野です。好きな香りを思いきり吸って、ゆっくりと吐きだすだけでいいのです。無機質な建物にいるときには、自然の香りで心とからだがほぐれるような「ひと休み」の感覚を味わってください。)
時間がほんの少しでもできたら、それは自分へのケアにも充ててあげてください。
あなたはたった一人の大事な人。

毎回書いてしまうようですが、医療がどんなに進んでも、どんなに良い薬ができても、日常的には自分のからだを守れるのはやはり自分になってくるのかもしれません。

セルフケアは私たちの日常にとって、ますます重要なものになってきます。自分のからだへの気づきをもつことで、少しずつ日常に変化が生まれる。いい循環を自ら築いていきませんか。

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